キックボクシングの練習メニューを紹介【プロ向け】

2023年3月25日

キックボクシングの試合で勝ちたい!

練習ってどんなことすればいいの?

僕がよく受ける質問の一つに「練習内容」があります。

「強くなりたい!」と思っても本当にこの練習で強くなれるのかと不安になることもありますよね。

この記事では、元キックボクシング日本チャンピオンの僕が実際にやっていた「キックボクシングの練習メニュー」について解説します。

 

キックボクシングの練習メニュー

僕が現役時代にやっていた練習はだいたい下記メニューです。

ロープ(縄跳び) 3R
シャドー 2R
スパーリング 2〜6R
ミット 2〜6R
サンドバッグ 3R
シャドー 1R
補強&ストレッチ

 

大前提として練習はダラダラやるものではありません。

ダラダラ1時間やるくらいなら全力で10分間やる方が断然価値があります。

「強度」が重要です。

練習で妥協すると必ず試合にあらわれるので、強くなりたい方は「絶対に自分には負けない」ようにしてください。

 

ロープ(縄跳び)

スポーツの基礎は足腰です。

身体を温めながらリズム感やバランス感覚を鍛えることができます。

毎日ロープをしていると、ほぼ無意識で跳べるようになります。

 

シャドー

1R目のシャドーは軽めです。

フォームを確認しながら関節の連動も確認します。

構えや打ち方のフォームがおかしいと、いくら練習しても上達しません。

一番大事なのは「基礎」です。

 

準備運動で静的ストレッチを行うと、必要以上に可動域や柔軟性が向上され筋発揮の低下や、パフォーマンスの低下に繋がってしまうことがあるため、シャドーは動的ストレッチも兼ねています。

静的ストレッチとは?

反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばし、伸展した状態を維持するストレッチのこと

動的ストレッチとは?

身体を動かしながら反動を利用しリズミカルに筋を伸張するストレッチのこと

 

2R目のシャドーからは「全力」です。

相手をイメージしながら、大きく速く打ち、最小限の動きで攻撃をブロックします。

 

スパーリング

試合と同じ強度でスパーリングします。

僕はいつも課題を持ってスパーリングしてました。

たとえば、常にガードを上げる、前のめりにならない、打ち終わりは素早くガードを戻す、なんかですね。

 

たまに「スパーリングをしない」、「マススパー(相手に触れない、軽く触れる程度)しかしない」なんて選手もいますが、マススパーで試合の感覚を掴めるのは、かなりの試合数をこなしたジュニアあがり、またはベテランの選手だけだと思います。

僕は練習で出来ないことは試合でも出来ないという価値観なので、ガチのスパーリングを大事にしていました。

 

ミット

ミットにも種類があり、大きく分けて「技術向上を目的としたミット」と「体力向上を目的としたミット」の2つがあります。

試合までの期間にもよりますが、僕は基本的に隙があれば打ってもらう程度の「技術2:体力8」ぐらいのミットをお願いしてました。

 

サンドバッグ

スパーリング、ミットがおわり、疲労困憊の状態でサンドバッグで追い込みます。

ここで手を抜くか抜かないかで、強くなれるかが大きく変わると言っても過言ではありません。

僕の場合、ラウンドスタートにミドルキックを左右10連打、パンチ30連打をして息をとことん上げてからやってました。

 

ちなみに、サンドバッグが大きく揺れるのは良くありません。

大きく揺れるのは押す打撃になっているからです。

打撃の強い選手は一点に力を乗せることができるので、サンドバッグは「くの字」にへこみます。

いつもサンドバッグが大きく揺れるという人は意識してみてください。

 

シャドー

最後にシャドーです。

疲労困憊の状態でイメージ通りに動けるようにします。

このときのシャドーが試合に出ます。

体力をすべて絞り出しましょう。

 

補強&ストレッチ

自分のフィジカルに足りない部分をトレーニングします。

疲労状態でのウエイトトレーニングは危険なので、チンニング(懸垂)なんかはおすすめです。

僕は別日にウエイトトレーニングの日を作っていたので、練習後は首や腹筋の補強だけやってました。

 

補強が終わったら、クールダウンも兼ねてゆっくりストレッチ。

練習後にしっかりストレッチをすることで、翌日以降の疲れの溜まり方が変わるので、サボらないようにしましょう。

練習中に痛めた箇所がある場合は、アイシングもします。

 

その他の練習メニュー

強くなるにはジムワーク以外にも下記のトレーニングもおすすめです。

  • ランニング、階段・坂道ダッシュ
  • 800mダッシュ
  • ウエイトトレーニング

 

ランニング、階段・坂道ダッシュ

ランニング中は、試合のイメトレやスパーリングでの修正点を考えながら10km程度走っていました。

階段・坂道ダッシュは、心肺機能を高めるためにスピードと心拍数を意識することが大切です。

 

800mダッシュ

市営の競技場でトレーナーにタイムを測ってもらいながら3分以内に800mを走ります。

インターバルは30秒。

本数は自分の試合ラウンド数+1本(延長戦)です。

後輩たちは4本、僕は6本走ってました。

 

ウエイトトレーニング

フィジカルが弱い人にとってウエイトトレーニングは重要です。

技術があってもパワーに押されることは多々あります。

技術も体力も負けているとなす術がありません。

体力がつくと余裕が持てるので、技術を身につけやすくなります。

僕も日本タイトルを獲得するまでは週一でパーソナルトレーナーを雇ってウエイトトレーニングをしてました。

キツすぎて毎回吐いてましたが、同階級でフィジカル負けすることはなくなりましたね。

 

1週間の練習スケジュール

僕の場合、仕事やプライベートの関係で毎日同じメニューをできるわけではなかったのですが、基本的には下記のようなスケジュールでやってました。

1週間の練習スケジュール

■月曜日
午前中:ランニング、800mダッシュ(または階段・坂道ダッシュ)、ジムワーク
夜:ジムワーク(スパーリングなし)

■火曜日
夜:ジムワーク

■水曜日
午前中:ランニング10km

■木曜日
午前中:ランニング、800mダッシュ(または階段・坂道ダッシュ)、ジムワーク
夜:ジムワーク(スパーリングなし)

■金曜日
夜:ジムワーク

■土曜日
午前中:階段・坂道ダッシュ

■日曜日
午前中:ランニング10km

 

まとめ

今回、キックボクシングの練習メニューについて僕の経験をもとに紹介しました。

僕が練習中に一番意識していたことは「自分に負けない」です。

「自分に勝てないなら相手に勝てるわけがない」と思いながらやってました。

 

そして練習でなによりも大事なのは基本。

基礎の上に技術は成り立ちます。

 

また、よく「心技体」と言いますが、どれが欠けてもダメです。

選手の強さは心技体の一番低いところで揃います

たとえば、どんなに技術があっても気持ちが弱いと技術を活かせませんし、どんなに気持ちがあっても体力がないと意味がありません。

 

「練習に行きたくないな」と思うこと多々あると思いますが、それは対戦相手も一緒。

そこで休むかトレーニングするかで結果は変わってきます。

試合で勝った後の充実感は最高ですよ。

試合で笑うためにも練習はとことん泣きましょう。

全力で頑張ってくださいね。

 

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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